Melody Honey
「あおいさん、誰ですか?」

大沢くんが桐生を見ると、私に聞いてきた。

そう聞いてきた彼に、私の背筋がゾッと震えた。

今の大沢くんの声はいつもの穏やかな声じゃなかった。

彼の声は、桐生に対しての闘争心を露わにした怖い声だった。

「あおいさん?

へえ、人の私物を名前で呼ぶなんていい度胸してんじゃねーか」

バカにするように笑いながら桐生が言った。

それに対し、
「私物?」

大沢くんが驚いたと言うように聞き返した。
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