Melody Honey

悲哀メロディー

家についたのと同時に、私は部屋に連れて行かれた。

「ヤダ…!」

ドサッと、乱暴にベッドに押し倒された。

逃げようとしたら、抵抗できないように両手首をつかまれた。

「――痛い…」

骨が折れるんじゃないかと思うくらいの強い力に、私の目にうっすらと涙がにじんだ。

至近距離に、桐生の殺気立った顔があった。

怖い…。

それだけしか言葉が出てこなかった。

抵抗できないくらいの恐ろしい力が、さらに怖さを演出させた。

「どうなるかわかってんだろ?」

脅迫するような声で、桐生が言った。

怖さのあまり、私はどうすることもできなくて震えることしかできない。

「わかってないようだな」

そう言った桐生の声に怖さが増した。

わかってる…。

そう言いたくても唇が動いてくれない。
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