Melody Honey
それにしても、
「遅いな、桐生さんって人…」

そう呟いた後、私は腕時計に視線を向けた。

約束の時間はもうとっくに過ぎている。

桐生さんは時間にルーズな人なのかしら?

そう思いながら周りを見回しても、桐生さんらしき人はそこにいなかった。

一体何をしているのかな?

寝坊でもしたのだろうか?

それとも、事故か何かに巻き込まれたのだろうか?

そう思った時、
「遅れて申し訳ございません」

私の後ろから声が聞こえた。

あれ?

何かどこかで聞いたような声だな。
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