Melody Honey
私は首を傾げた後、
「いえ、私も今きたところですから」

そう言って振り返った。

声の主の顔を見た瞬間、私の表情が固まった。

こ、こんなバカことってあるの!?

「へえ、お前だったんだ」

そう言うと、今朝ベッドのうえで出会った男――桐生詩音は、ニヤリと口角をあげた。

「――あっ…」

開いた口が塞がらないとは、まさにこう言うことを意味するんだと思った。

だって、そうだもん…。

開いた口が塞がらないって言うくらい、私ビックリしてるもん…。
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