Melody Honey
「また会っちまったなあ」

ため息のような声で、桐生が言った。

私は、あなたに会いたくなかった!

ズササと、私は後退りをした。

もう2度と絶対に会わないと思っていたのに!

桐生はククッとこらえたような笑い声を出すと、
「再会してそれはねーだろ?」

そう言って空いた距離をつめてきた。

また後退りしようとする私の腕を桐生がつかんだ。

私と桐生との間にあった距離が、あっという間にゼロになる。

「ベッドの中で激しく愛しあった仲だろ?」

桐生がそう言って笑った。
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