Melody Honey
「今さらで、しかもこんなことを言うのは変かも知れないけど…高校の時、弘前のことが好きだったんだ」

平野くんが言った。

「えっ?」

わたしは驚いて聞き返した。

「そんなの初耳だよ」

そう言った私に、
「今言ったんだもん」

平野くんが言い返した。

確かにそうだけど。

「けど、弘前に好きな人がいるんだったら仕方がないか」

そう言って平野くんは笑った。

「ごめんなさい」

その笑顔にいたたまれなくなって、私は平野くんに謝った。
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