Melody Honey
「別に気にしてなんかないよ。

久しぶりに弘前に会って、自分の気持ちを告白できただけでも俺は嬉しいよ」

そう言った平野くんに、
「私も久しぶりに平野くんと話せてよかった」

私は言った。

「そう」

平野くんは腕時計に視線を向けると、
「おっと、もうこんな時間か」
と、椅子から腰をあげた。

「えっ、どうしたの?」

そう聞いた私に、
「これから、取引先と打ちあわせがあるんだ」

平野くんが答えた。

「へえ、忙しいんだね」

「まあな、それじゃあな」

「バイバイ」

平野くんは私の前から去って行った。
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