Melody Honey
桐生はニヤリと笑うと、
「さっきの電話の話を全部聞いてたから」

そう答えた彼に、私の顔が反射的に紅くなった。

「それは、俺だって一緒だ」

そう言った桐生に、
「ウソ…」

私は呟くように言った。

「ウソだったら、お前を抱かねーよ」

抱きしめる腕に力がこもった。

「好きだから抱くんだよ。

大切だから抱くんだよ」

そう言った桐生に、彼がそんなことを思っていたんだと思ったら私は涙が出そうにになった。

「帰るぞ」

桐生が言ったので、私は首を縦に振ってうなずいた。
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