Melody Honey
通されたのは、どこかの部屋だった。

1人掛けのソファー2つとその間を挟むように丸いテーブルが1つあった。

「さて、つきあってもらおうか?」

そう言うと、桐生はソファーに腰を下ろした。

「取材にも、秘め事にもな」

桐生はそう言って、長い足を組んだのだった。

「ひ、秘め事って…」

私はどう言い返せばいいのかよくわからなかった。

やけに遠回し気味な言い方だと思いながら、私はソファーに腰を下ろした。

手元のバッグからメモ帳とシャーペンを取り出した。

質問内容は、すでに暗記してあるから完璧だ。

「では、始めます」

そう言った私に、
「なるべく早く終わらせろよ」

桐生が言った。
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