Melody Honey
「――あっ…」

詩音に触れられただけなのに、私の唇から反射的に声が出てしまった。

「――はあっ…」

彼の吐息が肌に触れてしまっただけなのに、私の唇からは嬉しいと言うように声が出てきた。

「今日はずいぶんと積極的だな」

ささやくように、テナーボイスが言った。

「そんなに積極的だったら、今日は調子が狂うかもな」

「――あっ…」

喜んでいると言うように、私の躰がビクッと震えた。

私の躰は、こんなにも敏感だったっけか?
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