Melody Honey
「弘前?」

編集長が私の名前を呼んだ。

「――あっ、そう言うことなので失礼します…」

途切れ途切れになりながらも、何とか言った。

もう、おかしなことになっちゃったじゃないの!

心の中で詩音に毒づいたら、
「つらそうだな、ゆっくり休めよ」

編集長が言い終わったかと思ったら、ブツッと電話が切れた。

もう、編集長に変な風に思われちゃったじゃないの!

「もう、バカ…!」

その声は、甘えているようだった。

「お前が悪いくせによく言うな」

詩音が言い返した。
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