Melody Honey
「たかが欠席を言うだけなのに、何分かかってるんだ?」

そう言った詩音に、
「仕方がないでしょ…」

私は言い返した。

「こっちにだって、いろいろと事情があるんだから…!」

「事情?

へえ、よく言うね」

彼の指の刺激が強くなったような気がした。

「こっちはすぐにでも仕込みにかかりたかったのに。

それだけ待たせておいて、よく言うな」

「――だか、ら…」

言い返したいけど、その後に言葉が続かない。
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