Melody Honey
挙動不審状態になってしまった私に、
「何だ、忘れたのか?」

桐生がおもしろそうと言う風に聞いてきた。

ムカつく!

「わ、忘れてなんかいません!」

私はすぐに言い返すけど、質問の内容を思い出すことができない。

そんな私に、
「忘れてんじゃねーか」

桐生がからかうように言ってきた。

何も言い返すことができない私に、
「向こうもずいぶんとダメなヤツを俺に寄越してきたもんだな」

桐生がそう言った瞬間、ピキッと私の中で何かが切れた音がした。
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