Melody Honey
「――嫉妬、しているんだからね?」

私は言った。

「キスシーンに、嫉妬しているんだから…」

最後の部分は、独り言かと思うくらいに弱かった。

けど詩音を独り占めしたいと思ったのは、私のわがままだ。

わがままな私の、精いっぱいの行動だ。

でも、自分からこうして詩音を攻めることしかできないのだから。

驚いたと言うように、詩音が私を見つめてきた。

見つめられていることが恥ずかしくて仕方がない。

詩音から目をそらすように、私は彼の首筋に顔を近づけた。
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