Melody Honey
この気持ちは、どうしても勝てない。

「言わねーと、このままだぞ?」

挑発するように、詩音が言った。

気のせいだけど、指の刺激が強くなったような気がする。

「――お願い…」

そう言った声は、甘くかすれていた。

「詩音が欲しい…。

詩音に触れて欲しい…」

「それから?」

「――詩音しか、いらない」

そう言った私に、ニヤリと詩音が笑った。

刺激を与えている指が止まったかと思ったら、
「よく言えた」

ご褒美と言うように、詩音が唇を塞いできた。

やっぱり、詩音にはかなわない。

けど詩音に対してのこの思いは、負けないから。
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