Melody Honey
ソファーから立ちあがると、桐生に向かってシャープペンを投げた。

投げたシャープペンは桐生の頬をかすめると、下に落ちた。

彼の頬に切り傷ができた。

「誰に向かって言っていいと思っているんですか!?」

私は彼に向かって怒鳴った。

「はあ?」

切られた頬を手で押さえると、桐生は私を見あげた。

反省すらしていないその態度に、私の怒りがさらに増した。

「誰に向かって言っているんだって、聞いているんですよ!?」

怒鳴った私に桐生はクッと笑うと、ソファーからゆっくりと腰をあげた。
< 21 / 288 >

この作品をシェア

pagetop