Melody Honey
「へえ…それで、何でビターの方なんだ?」

詩音が聞いてきた。

彼の言う通り、包装紙には「Bitter」と言う文字が書かれている。

「たまたまもらったのがビター味のチョコだったの」

包装紙を破りながら、私は答えた。

「ふーん」

「詩音も食べる?」

そう聞いた私に、
「俺はいい」

詩音が首を横に振ると、そう答えた。

「甘いものが嫌いなの?」

「平気な方、ただチョコレートはビターが嫌いなだけ」

詩音が答えた。

へえ、そんな人もいるのね。

そう思っていた時、電話が鳴った。
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