Melody Honey
そう思いながら、
「詩音?」

私は詩音に声をかけた。

「ん、何だ?」

「何かあったの?」

そう聞いた私に詩音はためらうように黙った後、
「弟から、電話があったんだ」
と、言った。

「お、弟?」

私は聞き返した。

「何だ、そのハトが豆鉄砲をくらったところを見たような顔は」

詩音が呆れたと言うように言った。

それって、どんな顔なんですか?

と言うか…詩音に弟がいたんだ。

そう思いながら、
「だって、初耳だったんだもん」

私は言った。
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