Melody Honey
いや…ケンカしてたら、わざわざ詩音に電話をかけてこないよね?

考えれば考えるほど、謎は深まって行く。

本当は聞いちゃった方が楽なんだろうけど、あの詩音が簡単に教えてくれるとは思えない。

ため息をついた後、またチョコをかじった。

パキッと小さな音がして、チョコが半分に割れた。

「ビターが嫌い、か」

私は呟いた。

舌のうえで溶けて広がった味は、とても苦かった。

詩音の気持ちもこんな感じなのだろうかと、私は思った。
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