Melody Honey
「何かあったの?」

そう聞いた私に、
「何でそんなことを聞くんだ?」

詩音が聞き返してきた。

「知りたいからだよ」

私は答えた。

「詩音のことを、まだ何にも知らないから」

詩音は目をそらすように横を向くと、
「そうなるか」
と、呟くように言った。

「いずれは話すことになるかも知れねーから、仕方ねーか」

投げやりに呟くと、私に視線を向けた。

詩音は重そうに口を開けると、
「千晴は弟の婚約者だ」
と、言った。

それから、
「俺の元カノだ」
と、言った。
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