Melody Honey
「高校1年の冬に、俺と千晴はつきあい始めた。

すっげー幸せだった。

何もかもが初めてで、全て新鮮だった。

けど、そんな日々は続かなかった」

詩音の声が低くなった。

「高校3年の終わり、千晴と同じ大学に進学することが決まった時…俺は知ったんだ」

詩音が顔をあげた瞬間、私は目を疑った。

何故なら、詩音が泣いていたからだ。

「――詩音…」

呟くように、私は詩音の名前を呼んだ。

泣いている詩音を見たのは初めてで、どうすればいいのかわからなかった。
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