Melody Honey
「千晴と香音がつきあってた」

泣きながら、詩音が言った。

「用があって香音の部屋に行った時、部屋の中から千晴の声が聞こえたんだ。

その日、千晴は家族と出かける用事があるって聞かされていたんだ。

おかしいなと思いながら覗いたら、香音の部屋に千晴がいたんだ」

詩音は悔しそうに唇を噛みしめると、
「あいつらがキスをしていたんだ」
と、かすれた声で言った。

「俺の目の前で、キスをしていた」

そう言うと、詩音は自分の髪をかきあげた。
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