Melody Honey
「――それから、どうなったの…?」

そう聞いた私に、
「サックス奏者としてデビューした」

詩音が答えた。

「和解、できたの?」

その質問に、詩音は首を横に振った。

「俺が出て行って以来、1度も会っていないんだ。

この間の電話が久しぶりだった。

どう言う経緯で、何を使って調べたのかは、俺にもよくわからないけど」

そう言った詩音に、
「そう…」

呟くように、私は返事をした。

悲しそうな詩音の様子を、忘れることができないだろうと私は思った。
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