Melody Honey
「詩音がどれだけあなたを思っていたのか、わかっていたんですか!?」

叫ぶように聞いた私に、千晴さんの背中が小刻みに震え出した。

「――わかってた…」

震えた小さな声で、千晴さんが言った。

「詩音の思いをちゃんとわかってた。

不器用で何も言わなかったけど、私にはわかってた」

「じゃあ、何で…」

わかってたのなら、どうして弟さんとつきあったりしたのだろう?

そう思っていたら、
「告白されたの」

かすれた声で、千晴さんが言った。
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