Melody Honey
「気がつけば、私は香音にキスされていた」

そのシーンを詩音は目撃したんだと、私は思った。

「詩音が見ていたことはわかった…」

次の日の出来事を思い出すように、千晴さんが言った。

「私のせいで、詩音が乱暴に抱いたのはわかった。

あの時の詩音の顔を今でも覚えてる。

それから、私と彼の関係は終わった。

その時にボロボロだった私を励ましてくれたのは、香音だった」

それがきっかけでつきあい始めた…と言う訳かと、私は思った。

「でも、詩音に対する罪は大きかった。

私のせいで、彼との関係が終わってしまったから」

そう言い終わった後、千晴さんが私の方に視線を向けた。
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