Melody Honey
千晴さんを抱えてドアの前に立つと、
「詩音!」

ドアをたたいて、詩音を呼んだ。

「うるせーな、チャイムがあっだろ」

ガチャッとドアが開いたのと同時に、詩音が出てきた。

「はっ?」

驚いたように、詩音が目を見開いた。

「千晴さんが大変なの!」

驚いている詩音を押しのけると、私は家の中に入った。

「おい!」

後から詩音がついてきた。

私は自分の部屋に入ると、ベッドに千晴さんを寝かせた。

「何で連れてきてるんだよ!」

怒鳴りながら、詩音が部屋に入ってきた。

「千晴さんが熱を出してるのよ!

それも、ひどい高熱よ」

「だからと言って、連れてくる必要はねーだろ」

パンと、乾いた音が響いた。

「いつまで過去の出来事に泣いてるのよ!」

詩音に向かって叫ぶように、私は言った。
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