Melody Honey
香音さんが私に気づいたと言うように、視線を向けてきた。

「その人は?」

香音さんに聞かれたので答えようとしたら、
「俺の彼女」

詩音がそう言って、私の肩を抱き寄せた。

「結婚を前提につきあっているんだ」

結婚と言う言葉に、私の心臓がドキッ…と鳴った。

もしかして、考えてたの?

「そうなんだ」

香音さんが微笑んだら、
「笑うな」

そう言ってツッコミを入れた詩音の顔は照れくさそうだった。

「香音」

詩音が名前を呼んで、香音さんに向かって手を伸ばした。

ポンと香音さんの肩をたたくと、
「千晴のことを絶対に幸せにしろよ」
と、言った。
< 259 / 288 >

この作品をシェア

pagetop