Melody Honey
「香音を好きになったとかって言うなよ?」

ニヤリと口角をあげると、詩音がそんなことを言った。

「はい?」

何を言っているんですか?

「好きになる訳ないじゃない」

そう思いながら、私は言い返した。

「だよな」

詩音はそう言った後、クスクスと笑った。

「私は、詩音の彼女じゃないの?」

詩音に聞いたら、
「彼女じゃなかったら、それ以外の何なんだよ」

逆に彼に聞かれた。

そうだよね、私は結婚を前提にしてつきあっている詩音の彼女なんだもん。

「でも詩音が結婚を考えてるなんて、ちょっと意外だったな」

そう言った私に、
「何だよ、あおいは遊びだったって言うのか?」

ムッとしたように詩音が言い返した。
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