Melody Honey
詩音らしい甘くて深いキスになれているはずだって思っているのに、まだなれていない自分がいる。

――もうダメ…。

そう思った時、後ろのベッドに押し倒された。

「――はっ…」

唇が離れたのと同時に、ため息のような熱い吐息がもれた。

「あおい」

詩音に名前を呼ばれたと思ったら、バスローブの中に手が入ってきた。

「――あっ、ちょっと…」

「どうした?」

ニヤリと口角をあげて、わざとらしく詩音が聞いてきた。

「まだ、心の準備が…」

そう言った私に、
「今さらいいだろ」

「――あっ…」

続きを言わせないと言うように、詩音が触れてきた。
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