Melody Honey
「何よ、悪い?」

そう聞いた私に、
「いや、あおいらしいなと思って」

詩音が答えた。

私らしいって、全然説明になっていないじゃないの。

そう思っていたら、詩音が私を抱きしめてきた。

「何があっても、絶対に離れるんじゃねーぞ?」

「わかってるよ」

「離れようったって、絶対に離さねーからな?」

「わかってるってば」

「ずっと…死ぬまで、俺のそばにいろよ?」

「わかってるもん」

「本当か?」

「本当よ」

腕の中から詩音を見あげたら、私は驚いた。

だって、詩音も泣いているんだもん。
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