Melody Honey
ドアを開けたら、
「ずいぶんと長い風呂だったな」

私の目の前に桐生がいた。

「えっ、なっ…」

戸惑っている私に、
「待ちくたびれたから迎えにきてやったぞ」

桐生が抱きしめてきた。

「えっ、待っ…」

「もうこれ以上は待てねーよ」

桐生はそう言って、
「――んっ…」

私と唇を重ねてきた。

「――ッ、んっ…」

急かすように、口の中に舌が入ってきた。

私の口の中で生き物のように動く舌に、頭がばんやりとし始める。
< 43 / 288 >

この作品をシェア

pagetop