Melody Honey
「――きゃっ…!」

背中に感じたフカフカとした感触に、私は彼の部屋のベッドに押し倒されたのだと言うことがわかった。

視線を上に向けると、桐生と目があった。

「逃げようったって、そうはいかねーからな?」

桐生はそう宣言するように言った後、
「――ッ…」

また私と唇を重ねてきた。

「――ふっ、ううっ…」

チュッと音を立てながら何度も重なる唇に、頭がぼーっとして行くのが自分でもよくわかった。

もうダメ…。

そう思った瞬間、唇が離れた。

「――あっ…!」

桐生の唇が私の首筋に触れた瞬間、私は声をあげた。
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