Melody Honey
「弘前さん」

私の名前を呼ぶその声に、
「はい」

私が返事をしたら、首を傾げた大沢くんが目の前にいた。

「大丈夫ですか?」

そう聞いてきた大沢くんに、
「ええ、大丈夫よ?」

私は答えた。

その答え方がどうして疑問形だったかは、自分でもよくわからないけど。

「えっと…どうしたの?

何かわからないことでもあったの?」

そう聞いた私に、
「いえ、もうお昼の時間でしたから呼んだのですが…」

大沢くんが答えた。

ああ、そうだったの。
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