Melody Honey
服の中に、桐生の手が入ってきた。

「――ッ…!」

声を出したくても、唇が塞がれているせいで出すことができない。

桐生の手に触れられている間、彼は私の唇を最後まで離そうとしなかった。


気になっているくらい、別にいいじゃない。

“好き”って言う訳じゃないんだから。

彼のことを気になって、一体何が悪いと言うのだろう?

「――んっ…」

目を開けたのと同時に、私は状況を理解しようとした。

そうだ、桐生とシたんだ。
< 65 / 288 >

この作品をシェア

pagetop