Melody Honey
「起きたか?」

桐生の声がしたので上半身を起こすと、声の方向に視線を向けた。

桐生はソファーに座り、上半身だけ裸でウイスキーを飲んでいた。

彼の引き締まった躰が、冷めかけていた熱を呼び起こした。

私は意識が飛ぶまで、いつもあの躰で抱かれているんだな。

そう思った時、
「何をそんなにジロジロと見ているんだ?」

桐生に言われ、私はハッと我に返った。

「ち、違うに決まってるじゃない!」

そう言い返すと、私は桐生から目をそらした。
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