Melody Honey
「はっ?」

訳がわからなくて、私は聞き返した。

何が“どうも”なの?

そう思っていたら、男はプッと吹き出した。

「な、何ですか…?」

そう聞いた私に男はニヤッと笑うと、
「昨日は激しかったのに、よく言うな」
と、淡々な口調で言った。

は、激しかった!?

ポカーンと口を開けた私に、
「と言うか、お前が誘ってきたんだろ」

男が言った。

さ、誘ってきた!?

「私が、ですか?」

人差し指で自分を指差した私に、
「へえ、覚えてないの?

まあ、あんなに激しかったら記憶くらい飛ぶかもな」

男はそう言って声を出して笑った。

私は笑うことができなくて、ショックを受けることしかできなかった。
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