Melody Honey
「何でそこなんだよ?」

桐生がそう聞いてきたので、
「違うんですか!?」

私は強い口調で言い返した。

「こっちに座るかと思ってた」

桐生はそう言って、自分の太もものうえを指差した。

座るか!

心の中で毒づいた後、私は桐生との距離をあけた。

「逃げることはねーだろ」

逃げる!

心の中で毒づきながら桐生との距離をあけようとしたら、
「おっと、それ以上は行かせねーぜ」

肩に桐生の手が伸びてきたかと思ったら、抱き寄せられた。

あっという間に、わたしは桐生の腕の中に閉じ込められた。
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