Melody Honey
「仕方ないから、僕ン家に行きますよ」

ため息をつきながら大沢くんが言った。

彼の背中に揺られながら、私はそっと目を閉じた。


「よいしょ」

ボスッと下ろされた瞬間、私は少しだけ目を開けた。

「ここ、どこ~?」

酔っているのか寝ぼけているのか、自分でもよくわからなかった。

でも、知らない場所にいることは確かなことである。

そう思っていたら、
「僕ン家です」

私の目の前で大沢くんが言った。
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