Melody Honey
「あー、別にいいですよ」

笑いながらそう言った大沢くんは神様かと思うくらいに優しかった。

桐生のヤツだったら、あっさりと許してくれないよ。

そう思いながら、
「迷惑かけてごめんね」

私は謝った。

「大丈夫ですから、もういいです」

大沢くん、優し過ぎます。

あなたの優しさが身に染みます。

「と言うか、弘前さんって酒豪だったんですね」

大沢くんが言った。

「よく言われる…。

飲み会での私のあだ名は“底なしバケツ”だから」

そう言われる分、酒の席での失態も大きい。
< 86 / 288 >

この作品をシェア

pagetop