Melody Honey
「――んっ…」

唇が触れた。

ほんのちょっと、触れただけだった。

なのに、逃げれないように頭の後ろを手で押さえられる。

そのままの体勢で、桐生は私をベッドのうえに押し倒した。

「――ふっ…」

舌で唇をなぞられたかと思ったら、口の中に舌が入ってきた。

「――んあっ…」

口の中をなでられた瞬間、私の躰が震えた。

頭がおかしくなるくらいの甘いキスになれてもいい頃なのに、未だになれることができない。
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