Melody Honey
「なら、よかったです」

そう言って大沢くんは安心したような笑顔を見せた。

よかった、うまくごまかせた。

私はホッと胸をなで下ろした後、
「私、躰を鍛えた方がいいのかな?」

大沢くんに話しかけた。

「えっ、何でですか?」

そう聞いてきた大沢くんに、
「いや…最近は何かと物騒じゃない」

私は言った。

「まあ、そうですよね」

「だから…何か、拳法的なものを身に習ってみようかなみたいな」

そう言った私に、
「別にいいんじゃないですか?」

大沢くんは言った。

「大沢くんは、強い女って嫌い?」

突然何でこんなことを聞いたのか、私にもよくわからなかった。
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