サイレントナイト~赤くて静かな夜~
優介の話が終わらないうちに、けたたましいバイクの音が響き渡った。

「ゆーすけー!ケンジロー!
お、お、お待たせー」

「おう、オカジマ、ハイジ、待ってたよ」

「なんか人多くない?
まじ事件て感じじゃん」

好奇心で目を輝かせた姫芽が、バイクの上から優介達に叫んだ。

「姫芽ちゃん!昨日から夜勤じゃなかったの!?」

優介が少し驚いた様子で姫芽を見た。

「あーなんか同じステーションのナースがいきなり用事出来たみたいで~シフト代わったの。
だから昨日からずーっとオカっちと一緒だよ」

「そう」

その時優介の表情が微かに変化したことに、その場にいた誰もが気がついていなかった。

「おい優介、一体なにがあったんだよ」

オカジマはバイクから素早く降りると警察と野次馬を見回し、優介のほうを見た。

「殺されたんだよ」

「ああ?」

「鹿本ユキオが、殺されたんだよ」

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