サイレントナイト~赤くて静かな夜~
鹿本ユキオが殺害されたと知った時、オカジマは真っ先にユリ子の顔を思浮かべた。

ある日、突然彼氏と住むと言い出して施設を飛び出したユリ子。

決してその家を教えてくれなかったユリ子。

二ヶ月後、偶然通った旧道トンネルにいたのは、その彼氏という男に殴られていたユリ子。

一発だけではなく、
何度も、何度も、何度も…

駆けつけた豊城に止められるまで、オカジマはその男を殴り続けた。

必死で許しを乞う男の声も聞こえなかった。
男がぐったりと動かなくなっても、殴る手を止めることは出来なかった。

その男がユリ子を傷付けていたなら、殴る理由は十分すぎるほどだ。

可愛いユリ子の彼氏。

鹿本ユキオ。
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