サイレントナイト~赤くて静かな夜~
影がいきなり動いた。

「オカジマ」

しかも喋った。

「ユリ子?」

オカジマのバイクのヘッドライトに照らされたのは、小柄な少女だった。

「違うよ。ユリ子じゃない」

「お前、朝の…」

少女は朝とまるで変わらない表情と出で立ちでそこに立っていた。

黒いセミロングの髪が白い肌と白いワンピースを強調させ、
小柄な体躯とパーツの小さな顔は、メイクを落としたユリ子の顔を思わせた。

「オカジマ」
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