サイレントナイト~赤くて静かな夜~
居間と台所、風呂場やトイレのある一階は真っ暗だった。

「ユリ子!ただいま!」

台所の電気をつけて冷蔵庫を開くと、2パックあった太巻きが1パックしかなくなっている。

時計を見ると、7時ちょうどだった。

「いつ食ったんだよ」

二階に上がると、ユリ子の部屋は静まりかえっていた。

「ユリ子、入るよ」

部屋の扉を開けると、ユリ子は朝から敷きっぱなしの布団に入って寝息をたてていた。

枕元には太巻きの入ったパックが、蓋が開いたまま無造作に置かれ、ユリ子はその一つを掴んだまま寝ていた。

「ユリ子!!ばか!起きろ!」

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