サイレントナイト~赤くて静かな夜~
「ユリ子。
あいつ小さい頃からうどんが好きなんだよ」

うどんが湯だった鍋にソーセージを入れていると、オカジマは後ろの居間にまるでユリ子が待っているような錯覚を覚えた。

「出来たぞ、食え」

ソーセージとネギと白菜がのった、温かい湯気がたつうどんをテーブルに置くと、少女は

「いただきます」

と手をあわせ、すぐにうどんを口にした。

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