サイレントナイト~赤くて静かな夜~
一昨日の夜、滝口はゲームセンターの駐輪場で、自分のバイクに腰かけて友人に電話していた。

「なんだよ~いいじゃん今からでも。
俺一人でゲーセンとかまじさみいパターンじゃねえ?
じゅんちゃんが来てくれるならワンゲームくらいおごっちゃうよ俺。
はあ?明日バイト?
あ~超冷てえ。
お前友達よりバイトのほうが大切なやつだったんだ。
もういいよ。まじ冷めた。
切るわ」

滝口は乱暴に電話を切ると、「使えねえやつだな」と大きな声で独り言を言った。

「ねえ」

< 50 / 95 >

この作品をシェア

pagetop