サイレントナイト~赤くて静かな夜~
背後からのふいの声に、滝口は驚いて激しく振り返った。

「ねえ、それあんたのバイク?」

「え?ええ?」

立っていたのは、小柄な背丈のギャルだった。

分厚いアイメイクで分かりにくいが、まだ15才位だろうか。

「だからそれ。あんたが乗ってるの?」

「あ、うん。そ、そうだけど」

「乗せてよ」

「ええー?」

人生初の逆ナンに興奮を隠しきれない様子で、滝口はギャルをまじまじと見た。

黒いタンクトップの上に白いTシャツを重ね、裾からジーンズのショートパンツをのぞかせている。

真っ青なラメのアイシャドーやつけまつげでよくわからないが、化粧の下の顔はなかなか可愛く見えた。

「お、おう。乗れよ。
もしかして、カラオケとか行っちゃう系?」


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