サイレントナイト~赤くて静かな夜~
ユリ子は、目をつぶったまま滝口の背中に抱き付いてみた。

オカジマよりも細くて、やけに骨が強調された背中は気持ち悪かった。

「え~ユリちゃん、わりと大胆じゃ~ん?
俺そういうの嫌いじゃないよ」

滝口が興奮した様子でユリ子の手を握った。

気持ち悪い。

そう心の中で呟いて、ユリ子もその手を握り返した。
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