サイレントナイト~赤くて静かな夜~
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「ユリちゃん、じゃあ電気消すから…
おやすみ」

滝口は遠慮がちにユリ子に声をかけると、ユリ子の寝ているベッドから離れたソファーに、ユリ子に背を向けて横になった。

あたしのにいちゃんが暴走族の元リーダーってわかった途端にその態度かよ。

ユリ子は黙って滝口のベッドの毛布を被った。

暗い部屋の中で、ユリ子は一人丸くなって目をつぶる。

暗い部屋で毎晩思い出すのは、14才のあの日。

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